SNSの広告や検索結果から見慣れないオンラインショップにたどり着き、「今だけ半額」「在庫限りの特別価格」といった文句に心が動いた経験はないでしょうか。実際に多くの人が、支払いを済ませたあとになって商品が届かない、あるいは全く違う粗悪品が届くといったトラブルに気づきます。しかし、偽の通販サイトには共通する特徴があり、支払う前にいくつかのポイントを確認するだけで多くの被害を防ぐことができます。
価格が「安すぎる」ときは疑う
詐欺サイトが人を惹きつける最大の武器は価格です。ブランド品や人気の家電製品が、正規の販売店より大幅に安い場合は要注意です。メーカーやブランドの公式サイト、大手通販サイトでの通常価格と比較し、極端な差がある場合は、正規品ではないか、そもそも商品自体が存在しない可能性を疑いましょう。
また「本日限定」「残り3点」といったカウントダウン表示や在庫表示は、購入を急がせるための演出であることが多く、それ自体が焦らせるための手口である可能性があります。
連絡先情報がない、または不自然
信頼できるショップであれば、会社名、所在地、電話番号、メールアドレスなどの運営者情報が明記されているのが一般的です。以下の点を確認しましょう。
- 「特定商取引法に基づく表記」やそれに相当する運営者情報のページが存在するか
- 記載されている住所や電話番号が実在するものか、検索して確認できるか
- 問い合わせフォームしかなく、電話番号やメールアドレスが一切記載されていないか
- 会社名を検索しても、そのショップ以外の情報が全く出てこないか
連絡先が曖昧だったり、フォームしか用意されていなかったりするサイトは、トラブルが起きた際に連絡が取れなくなるリスクが高いといえます。
ドメインが作られたばかりでないか
詐欺サイトの多くは短期間だけ運営され、問題が発覚する前にドメインごと閉鎖して姿を消します。そのため、サイトのドメイン(URL)がごく最近取得されたものであることが多いという特徴があります。
ドメインの登録情報を調べられる無料のオンラインツールを使えば、そのドメインがいつ取得されたのかをある程度確認できます。取得からまだ数週間〜数か月しか経っていない場合、必ずしも詐欺とは限りませんが、他の不審な点と合わせて慎重に判断する材料になります。
また、有名ブランド名に似せた紛らわしいスペルのドメイン(例えば正規の名称の一部を変えたもの)も典型的な手口です。URLをよく見て、公式サイトと綴りが微妙に違わないか確認しましょう。
支払い方法が不自然に限定されている
支払い方法も重要な手がかりです。以下のような場合は特に警戒してください。
- クレジットカードでの決済ができず、銀行振込や個人口座への直接送金しか選べない
- プリペイドカードや電子ギフト券での支払いを求められる
- 暗号資産(仮想通貨)での支払いのみを強く勧めてくる
- 正規の決済代行サービスのロゴが表示されているのに、実際にクリックすると全く違う画面に飛ばされる
クレジットカード決済は、多くの場合カード会社を通じた異議申し立て(支払いの取り消し)ができる可能性があるため、詐欺サイトほど個人口座への振込や返金の効かない支払い方法を好む傾向があります。逆に言えば、こうした支払い方法しか用意されていないサイトは強い警戒信号です。
その他に確認したいポイント
- 商品写真が他の有名サイトからの転用に見えないか(画像を検索して同じ写真が別サイトでも使われていないか確認する)
- 日本語の表現が不自然で、機械翻訳のような文章になっていないか
- 返品・返金ポリシーが極端に曖昧、または存在しないか
- レビューが極端に高評価ばかりで、具体性のない短文コメントばかりではないか
- ブラウザが「保護されていない通信」といった警告を出していないか
支払う前にできる簡単なチェックリスト
- ブランド名・会社名・電話番号をそのまま検索し、口コミやトラブル情報が出てこないか確認する
- ドメインの取得時期を調べる
- 連絡先情報が具体的で確認可能かを見る
- クレジットカード以外の支払い方法しかない場合は特に慎重になる
- 価格が相場より極端に安い場合は、公式の販売チャネルと比較する
もし既に支払ってしまったら
不審な点に気づいたのが支払い後だった場合は、できるだけ早くカード会社や決済サービスに連絡し、状況を説明して対応を相談しましょう。銀行振込をしてしまった場合も、振込先の金融機関にすぐ連絡することが大切です。また、身に覚えのない請求が続く場合は、お使いのブラウザやセキュリティソフトの安全性チェック機能でそのサイトを報告することもできます。
偽のオンラインショップは巧妙化していますが、価格・連絡先・ドメインの新しさ・支払い方法という基本のポイントを落ち着いて確認するだけで、多くのトラブルは事前に避けることができます。「怪しいと思ったら、まず調べる」という習慣が、安全なオンラインショッピングへの一番の近道です。