ネットを見ていたら突然画面が真っ赤になり、「お使いのパソコンはウイルスに感染しています」「今すぐこの番号に電話してください」という警告が表示された――このような経験がある人は少なくありません。これは実際のセキュリティ警告ではなく、偽のサポート詐欺(テックサポート詐欺)と呼ばれる手口です。目的は電話をかけさせて遠隔操作ソフトを入れさせたり、高額な「修理費」を請求したりすることにあります。落ち着いて仕組みを知っておけば、慌てず対処できます。
これは本物の警告ではない、と知っておく
本物のOSやセキュリティソフトは、ブラウザの画面いっぱいに警告を出したり、電話番号への連絡を求めたりすることはありません。特に次のような特徴があれば、それは詐欺サイトです。
- サイレンの音や大きな警告音が鳴り続ける
- 画面を閉じようとしても閉じられない、または閉じるボタンを押すと別の警告が出る
- 「Microsoft」「Apple」など有名企業のロゴや公式風のデザインを使っている
- カウントダウンタイマーで焦らせてくる
- 個人情報やクレジットカード番号の入力、電話をかけることを強く求める
実在するIT企業のサポートが、ウェブサイトのポップアップ経由で個人に連絡してくることは基本的にありません。
ポップアップの正しい閉じ方
「×」ボタンを押しても反応しない、または別の警告が次々出る場合は、以下の手順で対応します。
- ブラウザの「×」ボタンで閉じようとせず、まずタスクマネージャー(Windowsの場合はCtrl+Shift+Esc、Macの場合はアクティビティモニタ)を開き、ブラウザのプロセスを強制終了する
- 強制終了後にブラウザを再度開く際、前回のセッションを復元しない設定にする(自動で同じタブが開くと再びポップアップが表示されるため)
- スマートフォンの場合は、ブラウザアプリ自体をタスク一覧から完全に閉じ、必要なら履歴とキャッシュを消去する
- フルスクリーン表示になっている場合はEsc(エスケープ)キーでフルスクリーンを解除できることが多い
絶対にその画面に表示された電話番号には連絡しないでください。相手は本物のサポート担当者ではなく、詐欺のオペレーターです。
もし電話してしまった、遠隔操作を許可してしまったら
すでに電話をかけてしまった、あるいは相手の指示で遠隔操作ソフトをインストールしてしまった場合は、次のように対応します。
- 通話をすぐに切る。相手が何を言っても支払いや情報提供をしない
- 遠隔操作ソフトを入れてしまった場合は、パソコンをネットワークから切断(Wi-Fiをオフにする、LANケーブルを抜く)し、そのソフトをアンインストールする
- 信頼できるセキュリティソフトでスキャンを行う。自分で判断が難しい場合は、詳しい知人や正規のサポート窓口に相談する
- クレジットカード番号や口座情報を伝えてしまった場合は、すぐにカード会社や銀行に連絡し、利用停止や不正利用の監視を依頼する
- パスワードを入力してしまった可能性があるサービスは、別の安全な端末からパスワードを変更する
恥ずかしさから誰にも相談しないケースがありますが、被害を最小限にするには早めの行動が何より重要です。
今後こうしたサイトに遭わないための予防策
完全に防ぐことは難しくても、遭遇する確率とダメージを大きく減らすことはできます。
- ブラウザとOSを常に最新の状態に保つ。多くのブラウザには危険なサイトを警告する機能が備わっている
- 広告ブロック機能をブラウザやセキュリティソフトに導入する。悪質な広告経由でポップアップに誘導されるケースが多い
- 出所の怪しいリンクや、検索結果の広告枠を安易にクリックしない
- 「無料動画」「無料ソフト」などをうたう非公式サイトは特に注意する
- ブラウザの通知許可を求めるポップアップには安易に「許可」を押さない
周囲の人にも伝えておきたいこと
この種の詐欺は、パソコン操作に不慣れな家族や高齢の親などが特に狙われやすい傾向があります。事前に「そういう警告は偽物で、電話はしなくていい」と伝えておくだけで、被害を防げる可能性が大きく高まります。もし身近な人が同じような画面に遭遇したら、慌てず一緒に対処法を確認してあげましょう。
まとめ
「今すぐ電話しないとデータが失われる」といった煽り文句は、正常なセキュリティ通知には存在しません。焦らせる表現そのものが詐欺のサインです。ポップアップに出会ったら、電話せずタスクマネージャーで強制終了し、必要であればセキュリティチェックを行う。この基本を覚えておくだけで、多くの被害を未然に防ぐことができます。